コルドバ
お次は、アンダルシア地方へ向けて移動です。まずは、コルドバへ。
マドリードからコルドバまでは、距離の割には電車でかかる時間がそれほどでもなく、高速電車で2時間弱で到着できます。世界遺産であり観光の中心地であるコルドバ歴史地区までは、駅から歩いて10~15分程度です。
そしてありがたいことに、アンダルシア地方まで来ると、さすがに気温は再び高くなり快適になりました。だいたい、15℃前後でした。
白い壁が多く並ぶユダヤ人街を通って歩いていくと、コルドバの中心となる観光地であるメスキータが見えてきます。奥に見えているのは、メスキータの鐘楼です。
後ウマイヤ朝によって建造されたメスキータはイスラム教の礼拝堂、すなわちモスクです。拡張を繰り返し、非常に大きなモスクとなりました。メスキータの外壁には、イスラム建築に特徴的な、馬蹄アーチのデザインが見られます。
こちらは、メスキータの中庭です。オレンジの樹が多く生えています。中庭には自由に入ることが出来ますが、メスキータの建物に入るにはチケット購入が必要で、この中庭で購入することが出来ます。
年末年始は観光客も多く警備体制が強化されていたのか、アサルトライフルを構えた警官ががっちり警備していました。
チケットを購入し建物の中に入ると、まず目に入るのがこの無数の馬蹄型アーチが並ぶ円柱の森です。メスキータの象徴と言える柱であり、建物内の広大な空間に約850本建っています。思わず声が出てしまうほどの美しさと壮大さです。
メスキータ内を歩いていると、豪華な装飾が施された壁を見つけることが出来ます。こちらはミフラーブと呼ばれる、モスクには必ず存在する窪み部分です。ミフラーブはイスラム教の聖地であるメッカの方角を示しており、信者はこれを目印にお祈りします。
ミフラーブの上部には、美しい天蓋がありました。こちらも装飾が細かく豪華です。
イスラム教徒によりモスクとして使用されていたメスキータですが、その後、レコンキスタによりコルドバがキリスト教勢力のものになると、このメスキータはキリスト教用の礼拝堂として使用されるようになります。そして、メスキータの一部を取り壊し、写真の礼拝堂を建造してしまいました。もともと円柱も、1000本以上あったそうです。
このように、メスキータはまさにイスラム教とキリスト教の融合であり、歴史的背景も含めて非常に特徴的な建築物となっています。
メスキータのそばにはグアダルキビール川という川が流れており、メスキータの正面にローマ橋という橋が架かっています。その向かいにあるのは、カラオーラの塔という建物で、橋を守る砦として建てられました。今では内部は博物館になっており、この塔の上には登ることが出来ます(有料ですが)。
カラオーラの塔の上からはメスキータがこのように見渡すことが出来ます。コルドバの撮影スポットの一つともいえる場所なので、登ってみてもよいのではないでしょうか。
メスキータの近くのユダヤ人街には、花の小道とよばれる狭い小道があり、ここも一応観光スポットになっています。若干見つけにくいです。観光スポットといっても、白い外壁に花が飾られているっていうだけのことなんですが。
白い壁のユダヤ人街は、歩いていて気持ちよく、特に天気のいい日は白がよく映えます。ユダヤ人街をふらふら歩くのも楽しいです。こちらはポトロ広場という、メスキータから歩いて5分程度の、小さな広場です。ここには、 小説ドン・キホーテにも登場した旅籠屋ポトロがあります。
メスキータの近くにはアルカサルもあり、こちらも観光スポットです。この写真の右側の塔の根元に、入場口があります。
塔の上に登ると、これまた周囲をぐるりと見渡すことが出来ます。このアルカサルは、コルドバがキリスト教勢力に支配されてから建造されたものですが、イスラム教徒がキリスト教のデザインも取り入れながら建築したムデハル様式となっています。
遠くにはローマ橋が見えるのがわかるかと思います。
こちらは、少し左を向いた写真。奥にメスキータの鐘楼が見え、位置関係がよくわかるかと思います。
こちらは、メスキータの反対方面を見た写真で、アルカサル内の庭園が見えています。この庭園がアルカサルの見どころです。
アルカサルの中庭には、オレンジの樹がたくさん植えられていました。
アルカサルの庭園内には、オレンジの樹やレモンの樹がたくさん植えられていました。また、この庭園は水路や噴水を多く用いた、アラブ式の庭園となっています。オレンジの樹の剪定がユニークで面白いです。
とまぁ、このようにコルドバでは、街全体でイスラム教とキリスト教の融合が見られる 場所になっており、大変興味深い観光地です。マドリードからのアクセスもよいので、日帰り旅行も可能だと思います。
(続く)
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