アイスランド(3)
アイスランドの国道1号線は、アイスランドの外周をぐるっと一周するように設置されています。今回はぐるっと1周しませんでしたが、アイスランド南部の1号線沿いに観光スポットがいくつか点在しています。なので、それらをカバーしながら、アイスランド東部にある「ヴァトナヨークトル氷河」というアイスランド最大の氷河がある場所を目指すことに。
まずはレイキャビクを出て、南方向へ走ります。レイキャビクを出てしばらくは、そこそこの規模の街もありましたが、それらを過ぎるとただ自然が広がるのみでした。こちらは走行中、車内から見た景色ですが、シンプルに道が敷いてあるだけで、周りは特に何もありません。
さてそんな風景をしばらく走った後に見える第一のスポットが、こちらのセリャラントスフォスという滝。1号線沿いにあるので、車で走っていればすぐ気付きます。ここには簡易トイレと売店がありましたが、レストランのような施設はありません。
セリャラントスフォスの裏側は、やや穿った形になっていて、このように滝の裏側に歩いて回ることが出来ます。丁度方角が西を向いているので、夕方に来ると夕日と滝が合わさった景色を見ることが出来ます。水しぶきがすごくて、結構びちゃびちゃになってしまうのが難点。
セリャラントスフォスからまた少し走った場所には、スコゥガフォスという滝があります。こちらも1号線沿いです。この崖部分は、かつては海に面していたと考えられており、我々が立っている低地部分は昔は海底だったということになります。この時はたまたま水が濁ってましたが、普段はフツーの色です。
スコゥガフォスのそばには、大型のレストランがあるので、ここで休憩できます。
崖にある階段を登って、滝を上から眺めることが出来ます。その水量の多さから、あたりに散る水しぶきが多く、そのため晴れた日にはこの滝には虹がよくかかるとのこと。
崖を登ると、滝を形成する川が見えます。この川は氷河から流れた水でできているはずなので、この川沿いに歩いていくと氷河が見えるはずです。実際に、歩いて行っている人たちが複数いました。が、遠そうだったので我々はやめました。
スコゥガフォスからさらに走ると、ヴィークという小さな村があります。ここを過ぎると、1号線沿いには村らしきものは全く見当たらなくなります。
ここは何気にアイスランド最南端の場所で、この付近にも観光スポットがあります。
その一つがここ、レイニスフィヤラという海岸。結構波が高く、実際に観光客の死亡事故も発生しているので、あまり海には近付かない方がいいです。
海岸にある崖壁は、マグマが冷えて固まり収縮した際に形成された割れ目である「柱状節理」が見られます。ここにしかないというわけではないですが、間近で見れるので興味があればといったところ。
レイニスフィヤラの近くには、ディルホゥラエイという大きな穴が開いた崖があります。この付近には多数の海鳥が生息しており(巣があったりします)、バードウオッチングしてる人がいたりしていました。
レイニスフィヤラやディルホゥラエイがあるあたりの海岸は、「ブラックサンドビーチ」と呼ばれており、実際にこのように黒色をしています。これは溶岩石が流れてきたことに起因するため、と言われています。
ヴィークからヴァトナヨークトル氷河の間は溶岩石が流れ出て形成された扇状地になっていて、あたり一面がずーっと黒い砂地だったりします。そんな中に道路が敷いてあります。強風時には、この砂が激しく舞い上がり、周りが全く見えなくなることがあるらしく、車にもダメージとなることがあるので、気を付けた方がよいとのことです。
そんなところを走っていて、目についてスゲェと思ったのがこの景色。向こうの山が思いっきり抉れてますが、もともとあそこには氷河があって、それが流れ出て形成されたと思われます。一応すでにここは、ヴァトナヨークトル氷河の一部です。
さて、そんな道をひたすら走った後、1号線を横に外れる砂利道を走ると、スヴィーナフェルスヨークトルという、ヴァトナヨークトル氷河から流れ出てきた氷河舌を見ることが出来ます。
この氷河は、駐車場から歩いてすぐのところにあり、簡単に間近で見ることが出来ます。
最初にこの景色が目に入った時、なんじゃこりゃスゲーっ、て思いました。マジで。スイスでゴルナー氷河を見たときもスゲーって思いましたけど、こちらの氷河はなんかもっと迫力が違います。間近で見れるっていうのがいいのかも。
こちらは氷河をもうちょっとズームした写真です。この写真で伝わるかどうかわかりませんが、これらの氷河はとても大きいです。こんなもんが移動するなんて、自然は恐ろしいですね。ちなみに、この氷河の上を歩くツアーなんてのもあるらしいです。
お隣にももう一つ氷河があります。ここらあたり一帯は、スカフタフェットル国立公園と呼ばれ、ハイキングコースや宿泊施設、キャンプ場があります。この写真の左奥方向に、インフォメーションセンターがありました。
さて、さらに車でしばらく走ると、フィヤトルスアゥルロゥンという氷河湖があります。目の前にある、フィヤトルスヨークトル氷河により形成されています。目の前に迫る氷河の迫力がスゴく、こちらも非常に印象に残る氷河でした。
そして、フィヤトルスアゥルロゥンからすぐの場所にあるのが、今回の最終目的地であるヨークルスアゥルロゥンという氷河湖です。アイスランド最大の湖で、観光地としてもトップクラスの人気スポットです。
この看板の左側の絵でも紹介されている通り、氷河湖には氷河由来の無数の氷山が浮いていて、これが大西洋へと流れ出ていきます。その美しさが、ここが人気スポットである理由です。
が、我々が来た時には氷河湖には氷山はあまり残っていませんでした。。溶けたのか、それとも全部海に流れ出てしまったのか。。氷河のそばには、新しく崩れ落ちてきた氷山がそこそこありましたが。
ここヨークルスアゥルロゥンでは、氷河湖をボートクルージングするツアーがあり、間近で氷山を見ることが出来ます。氷山がいかに巨大かというのが、わかるかと思います。
一応、河口付近にはいくつかの氷山が漂着していました。ここらあたりは水深が浅いので、底にひっかかり、その後氷山が溶けたり崩壊したりなどして、それなりの小ささになってから、海に流れ出ていきます。
そのため、すぐ近くの海岸では、このように多くの氷塊が砂浜に漂着しています。そこそこ寒いとはいえ、これらの氷は常に溶け続けていたので、そのうち消えてなくなるのでしょう。
中にはこのように、まだかなり大きい氷塊もありました。
とまぁ、こんな感じで、オーロラこそ見れなかったものの、アイスランドの大自然を十分に堪能できました。当初はおまけ程度にしか考えていなかったアイスランドの観光ですが、これは十分満足できるレベルでスゴかったです。ツアーで行くよりは、レンタカー借りて自分たちでまわった方が記憶によく残るんじゃないかなって思います。冬に来ると、路面も凍って危ないし、寒くていろいろやる気がなくなるので、オーロラもあわよくば見たいとなると、9-10月あたりの秋がよい気がします。もしオーロラはどうでもよければ、夏にきてドライブしたらさぞ気持ちいいことだろうな、って思います。
滞在中、ずっと雲の動きをネットで調べてましたが、今回車で走ったレイキャビク含めアイスランドの南半分は、夜になると南からやってくる雲に覆われてしまうことがほとんどでした。対して、アイスランドの北半分は常に雲がかかってないことが多く、オーロラの活動レベルさえ十分高ければ、アイスランド北部に行くのが正解なのかもしれません。一応、ご参考までに。
(以下、おまけ)
雲の動きを調べながら、がんばって雲の切れ間を探して車で移動して、オーロラを見ようと一応は努力してました。オーロラの写真は撮れませんでしたが、周りが真っ暗なので天の川は肉眼でも観察でき、こんな感じで写真撮れました。
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