フィレンツェを後にして、最後に訪れる街はローマです。フィレンツェからローマ・テルミニ駅までは、電車で大体2時間ぐらい。
ここでローマの紹介の前に、まずはバチカンを先に紹介しておきたいと思います。
バチカンは、学校で教わるのでご存知の方も多いとは思いますが、世界最小の国であり、そしてカトリック教会の総本山でもある、宗教国家です。
こちらは、ローマ・テルミニ駅内。駅の地下にメトロの駅があり、ここからバチカン近くの駅(Ottaviano駅)まで向かいます。ローマ観光にメトロの利用は便利ですので、数日間有効券を買っておくといいでしょう。
3日間の公共交通機関乗り放題+美術館チケットがセットになった「ローマパス」というものがテルミニ駅で売っていると聞いたのですが、見当たらなかったので諦めました。
Ottaviano駅から真っ直ぐに道を南下していくと、リソルジメント広場という広場に出ます。この写真の通りを真っ直ぐ進んでいくと、
サン・ピエトロ大聖堂の前に出ます。キリストの使途であり、初代ローマ教皇である聖ペトロが眠る地に立てられたのが、このサン・ピエトロ大聖堂です。
この写真の広場は、厳密にはまだバチカンではなく、ローマ市内すなわちイタリアになります。
バチカンとローマは、このような柵で仕切られており(こんなのでいいのかな?)、バチカンに入国するためには簡単なセキュリティチェックを通過する必要があります。写真は、入国待ちの観光客たち。しかし、パスポートチェックはありません。
日中は大量の観光客が列を作っていましたが、朝イチだったり夕方とかだと割りと空いていました。
なにわともあれ、まずはバチカンに入国して、サン・ピエトロ大聖堂を見学することに。
カトリックにおいては25年に一度、聖年という年があり、その都市にローマ各地のとある教会を巡礼すると「赦し」を与えられます。本来ならこの年は聖年では無いのですが、2015-2016年は例外的に特別聖年という年にあてられていて、多くの信者の方々が世界中から赦しを得るために訪れます。
ちなみにワタクシは、人生において赦しを得なければならないような悪行をした覚えはありませんので、今回教会巡礼はしておりません(「自分が悪だと気付いていない、もっともドス黒い悪」という可能性も・・・)。
サン・ピエトロ大聖堂にある正面のいくつかの扉のうち、一番右にある扉が「聖なる扉」と言われる扉です。この扉、聖年以外のときは常に閉じられたままなのですが、聖年中には「聖なる扉」がこの写真のように開かれます。本来なら通れない扉を通って、いざサン・ピエトロ大聖堂内へ。
聖なる扉から入るとすぐ右手には、この大聖堂の一番の見所である、ミケランジェロの傑作「ピエタ像(サン・ピエトロのピエタ)」があります。ガッチリとアクリル板のようなもので囲まれており、傷付けることはおろか近づく事すらできません。
近付いてじっくり見る事は出来ないですが、遠くからでも「悲しみにくれる聖母」の表情がなんとも言えず素晴らしいです。
こちらはサン・ピエトロ大聖堂内部。古めかしい、というよりは結構小奇麗で装飾が派手です。
こちらはベルニーニ作の天蓋および教皇祭壇です。この下に、聖ペトロが眠っており、この大聖堂の最も神聖かつ重要な場所になります。
サン・ピエトロ大聖堂でも、例によってクーポラに登ることができます。クーポラへの入り口は大聖堂の外にあります。
途中までエレベータで登るルートと、階段を使うルートがあります。
エレベータ、階段、どっちを使ってもまずはクーポラの天井付近にあるこの回廊にたどり着きます。ここからは、天蓋や教皇祭壇を見下ろすことが出来ます。
ここからさらに階段でクーポラの頂上まで登ります。
クーポラ頂上から見た、サン・ピエトロ広場です。こちらもベルニーニによる設計で、広場を囲むように立てられている円柱は、まるで人々を包み込むかのようです。
上記のサン・ピエトロ広場の写真から見て左手にあるのが、こちらのバチカン美術館です。一番右手前にある長方形の建物が、システィーナ礼拝堂になります。
さて、クーポラを降りて次はこのバチカン美術館に向かいます。バチカン美術館の入り口は、この写真で言うと左奥になるので、サン・ピエトロ広場からは少々距離があります。
上述のリソルジメント広場の写真から右手方向にバチカンの壁沿いに進んでいくと、そのうちバチカン美術館にたどり着きます。わかりやすいように、標識案内付きです。
くどいようですが、バチカン美術館も予約推奨です。予約しないで来た人たちは、このような大行列に加わるハメになります。事前に予約すると、すんなり入場できます。
バチカン美術館は歴代教皇の収集品を展示している美術館で、上の写真からも想像できるように、クッソ広いです。フィレンツェのウフィツィ美術館よりも広いです。普通に見て回ったら、1日かかるかもしれません。とりあえずは有名な展示品に絞って駆け足気味に回ったほうがよいでしょう。
ここで、バチカン美術館にて有名な展示をご紹介。美術館内部の写真撮影は可になっております。
ベルヴェデーレのアポロン。古代ギリシャで作られた銅像を基に、ローマ時代に彫刻に模刻したものだと言われています。
ラオコーン像。こちらも古代ギリシャの彫像になります。
これら2つの彫像は、同じ場所(中庭のようなところ)で見ることが出来ます。
美術館内の長い回廊では、タペストリーが飾られた回廊や、イタリア地図のフレスコ画が描かれた回廊などがあります。
その後、「ラファエロの間」という場所にたどり着きます。いくつか部屋があり、そのうちの一つ「署名の間」には、ラファエロの「アテナイの学堂」という有名なフレスコ画を見ることが出来ます。このアテナイの学堂の反対側には、「聖体の論議」というこちらも有名なフレスコ画があります。
その後も進んでいくと、システィーナ礼拝堂への入り口にたどり着きます。この階段を登って右手側が礼拝堂です。
システィーナ礼拝堂は、ミケランジェロやボッティチェッリなどのルネサンス期の著名な芸術家が手がけた壁画が描かれています。またシスティーナ礼拝堂は、ローマ教皇を選出する会議であるコンクラーヴェの場所としても有名です。
ここはバチカンにおいて非常に神聖な場所であり、写真・動画撮影は厳禁です。よってシスティーナ礼拝堂内部の写真は撮っていません。まぁ、現実には隠し撮りしている観光客が多くいたりするのですが、その都度、係りの人(礼拝堂内にたくさんいる)が厳重注意をしてまわっていました。隠し撮りのような恥知らずなことはしたくないものです。
システィーナ礼拝堂内で一番目立つのが、主祭壇の背後に描かれたミケランジェロの「最後の審判」でしょう。こちらの画も学校で習って覚えておられる人が多いと思います。どんな画かは、テキトーに検索してみてください。実物を見ると、「思ってた以上に色が青い」とか思ってしまいました。なんかあんまり礼拝堂に似合ってないです、ぶっちゃけ。あと有名なのは、こちらもミケランジェロによる天井画の一つ「アダムの創造」です。こちらは思ってたより小さい、という感想。あと、天井画なので見続けるのはしんどいです(首が痛い)。礼拝堂内にはギッシリ壁画が描かれており、なんか逆にゴテゴテして落ち着かないんじゃないかと思ってしまいました。
とはいえ、見所のある画がたくさんあるということでもあるので、ここでじっくり鑑賞していかれることをオススメします。が、他の観光客も同じことをするので、礼拝堂内は立ち止まった観光客でいっぱいです。係りの人が「静かに!静かに!」と必死に注意していましたが、あれだけ観光客がいるとちょっとうるさくなるのも仕方ないんじゃないかなと。
システィーナ礼拝堂を後にすると、バチカン美術館の入り口あたりに戻ってくるのですが、そのまま帰らずに絵画館(ピナコテーカ)にも訪問しましょう。存在に気付いていないのか、多くの観光客がここをスルーしていました。たしかに、ちょっと気付きにくい位置にありました。
ちなみに絵画館の入り口前には、ミケランジェロのピエタ像のレプリカが置いてあります。こちらは間近で見れますので、ある意味、近づく事すらできない実物を見るより満足できるかも。
絵画館の方には、ラファエロの「キリストの変容」があります。この両隣にも、ラファエロの作品が置かれています。また、この部屋の隣の部屋には、レオナルド・ダ・ヴィンチの「聖ヒエロニムス」という画があります。
絵画館を見終わったら、これで美術館見学は終わりです。
最後はこの螺旋階段を下って帰ります。二重螺旋になっていて、上りと下りが別々になっている、不思議な螺旋階段です。
とまぁこんな感じで、世界最小の国であるバチカンですが、その見所の充実っぷりはなかなかの高密度です。ローマに来たなら、バチカンははずすことは出来ません。
(続く)
↓応援(クリック)よろしくお願いいたします。