猫が一匹おりま“した”

日本の某所でPIとしてスタート

ケルン 番外編2

本来なら16時過ぎにはMarburgに着いているはずだったのに、Giesenに着いたときにはもう22時。Marburg行きの電車はこの時間にあるんだろうなおい、とか思いながら時刻表を見ると一応夜中すぎまで電車はあるよう。それじゃ一番近い時間のに乗るためホームで待ってたら、なんというか予想通り、電車が来ない。

おいおいここまできてまた待たせる気ですか、と思ってピキピキしながら駅のサービスカウンターに行ったら電車に乗れない人たちが群れを成していました。係員に次の電車は何時かと、ややキレ気味で聞いたところ、”Marburg行きは今日はもう来ない”と。
なんて恐ろしいことをサラっと言うんだこいつはと思いました。それはすなわち、明日まで待てってことですか。よくあたりを見渡してみると、乗客たちがタオルケットもらって駅で寝てるし。10代の頃なら駅で寝るとか余裕ですし、やったことも当然ありますが、さすがに28歳にもなってそれはキツイ。というか鉄道会社として何の対策もなしですか?日本ならそんなこと許されるでしょうか?といってもここはドイツ、日本人の感覚は通用しません。なんというか、外国だなと痛感させられました。

さてどうするかと思ってると、途中の駅であれこれ事情を教えてくれた男女ペアのうちの男の方がいました。女の方はどこ行ったの?と聞くと、次の日仕事だからタクシーでMarburgまで帰ったと(彼女かと思ったらただの友達だったよう)。で、彼の方はTreysaまで帰らないといけないのに電車がなくて途方に暮れ中。そしてなぜか、同じ境遇のもの同士二人で駅前のカフェに。話していると、彼はドイツ人ではありませんでした。モロッコの隣の国から料理の修行をしにドイツに来たという、なんだか怪しい経歴。ついでに英語もかなり怪しい。旅先でこういう人に出会うのもそれはそれで面白いと30%ぐらいは思いながらも、残り70%はどうやって今すぐ帰るかを考えていました。

タクシーでGiesenからMarburgまで帰ることは可能ではありますが、金銭的によろしくありません。この時自分ひとりならタクシーで帰るだけのお金を持っていましたが、彼の方はほとんど手持ちが無いようでした。彼をほっておいて一人で帰ろうかという案も考えましたが、それもどうかと思い最終手段として置いておいて、とりあえず本当に電車が完璧に来ないのかもう一度聞きに行くことにしました。するとなんと、後10分後にMarburgまで行く電車が来ると!「なんじゃい、今日はもう来ないんちゃうんかい!」と日本語で突っ込みたくなりましたが、あぁよかったよかったと一安心。が、彼はMarburgのその先のTreysaまで行かなくてはいけないので、基本的に問題は解決していません。でもGiesenにいるよりはいいからと、とりあえず一緒に電車に乗ることに。

さて、乗った電車は各駅停車の電車でした。この電車、Marburg sudというMarburg南駅にも止まるのですが、自分の家はこの駅から歩いて帰れる距離なのでこの駅で降りることにしました。となると、彼をMarburg駅で放置することになります。さて、彼をどうしたらいいか本気で悩みました。周りの乗客にも、Treysaまで行く電車が無いか聞いてみましたが知らない様子。と、そこに天の声、車内放送でTreysaまで行く電車が30分遅れで来るとのこと。そして隣にいた学生さんが、Marburgで電車に乗り換えるから彼を連れて行くよ、と助けを。こうして、学生さんに彼をまかせて(押し付けて?)、自分は無事に家に帰ってきたわけでした。彼は無事に帰ることができたかなぁ、と思いながら時計を見ると夜中の12時半。本当ならこれの8時間前にはついていたはずなのに・・・と思いながらベッドへ。横になれることのすばらしさをかみ締めながら寝ました。

というわけで、帰路はケルンでの思い出をすべて吹き飛ばすぐらいの波乱に満ちた旅でした。彼はその後どうなったか今でもちょっと気になりますが。

今回がフランクフルト空港からMarburgまで移動したとき以来の電車利用でしたが、海外での電車の旅というのはなかなか悪くありません。またいつかどこかに行ってみたいと思っています。